後藤隆一 著
私達は、今、「ヒューマノミックス懇談会」というささやかな勉強会を、毎月行っている。ヒューマノミックスとは、問題解決学であり、また、目的論的経済学である。今日の無目的社会に、目的を与え、それを実現する手段を開発するためである。しかし、経済システムにしても、生態システムにしても、崩壊と行き詰まりのスピードがあまりに速いので、時には、絶望したくなる。それに打ち克つためには、法華経の人生観を、わが身に蘇らせ、祈りによって、現代の狂気と戦うほかないことも痛感する。
私は、ゲーテが「ファウスト」を完成し、永眠した83歳という年に達した、「ファウスト」が、近代ヨーロッパの人格を創造したように、この本は、第三のミレニアムの世界市民の人格を創造することを夢見ながら筆をおきたい。