信念の人 吉田ワンマン宰相
信念の人 吉田ワンマン宰相
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木原健太郎 著 霞出版社 発行 今どき、なぜ吉田茂か、という人があるかも知れない。 彼は、1878年(明治11年)に生まれ、1967年(昭和42年)に没した。外交官であり、偉大な政治家であったが、大宰相ともてはやされるのは、棺を覆うて後のことである。 終戦とともに外務大臣となり、鳩山一郎が占領軍により追放されたため、総理大臣の椅子が転がり込んだ。以来、五次にわたり、内閣を主宰すること7年 2,616日に及んだ。佐藤栄作氏の2,798日には及ばないが、マッカーサー元帥占領下の厳しく困難な時期を思えば、国家存亡の秋に現れる救国の士が想起されるのである。 在任中の最も大きな業績は、サンフランシスコにおける平和条約の締結であるが、日米安全保障条約、日米行政協定なども生きている。その間の憲法九条や再軍備等に関する彼の国会答弁など改めて想起し、本当の腹の底を問うてみたい気もする。 最近マスコミの開陳する政治家の言動には、バカヤロウの野趣もユーモアもなし、枝葉末節論争多く、彼ならばどう舵取りしてくれるか、いたずらに切歯扼腕する今日である。
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