学校法人の財務分析
学校法人の財務分析
¥4,500(税別)

山口善久 著
学校経理研究会 発行

 平均比率や平均数値との比較。
財務分析というと、普通このようなことが念頭に浮かびます。
 しかし、これによって、私達は意図したものを手にいれることができるのでしょうか。確かに平均比率や平均数値との比較は、学校法人の自己の姿をある程度明らかにすることでしょうが、この明らかにされた姿はあくまでも平均比率や平均数値とどのように異なっているか若しくはどの程度似通っているかを、平均比率や平均数値と対比してそれとの相対的な姿として描いているに過ぎません。
私は、決してこのような財務分析を否定しているわけではありませんが、財務分析の本来的な意味は、自らの姿を自らの活動の中で鮮明にとらえ、今後自らがどのように行動すべきかをの指針を与えることにあるものと考えます。(ここに、いわゆる外部分析とは異なった立場での内部分析の思考があるのです。)
 事実、先に述べた比較による財務分析手法も、基準比率や基準数値という概念をおき、このような財産分析の目的に応えるように努力していますが、なかなかその目的を遂げることに成功していません。
本書は、このような立場から学校法人が自らの姿を自らの行動の中で捉えるための考え方の基礎を示すことを意図しています。
 一つの指針を示し得れば成功と考えていますが、まだまだ肉付けが必要な箇所もそこここにあり、今後の補完を考えています。皆様の忌憚のないご意見を戴ければ幸いです。
 第1章から第3章までは、本書の主たる目的である財務分析における絶対評価について、第6章・第7章は、その具体的手法について、第8章から第16章までは、その他諸々の財務分析手法について述べています。
 以上、本書は、財務分析の基本とともに実務も念頭において説いたもので、学校法人の発展にとって些かでも寄与するものがあれば著者の喜びこれに勝るものがありません。

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